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山本君が電子情報通信学会NS研究会で研究発表を行いました

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 修士課程2年の山本嶺君が、2008年12月19日〜20日に神戸大学(兵庫県神戸市)で開催された電子情報通信学会ネットワークシステム(NS)研究会で研究発表を行いました。

 発表論文のタイトルは、「アドホックネットワークにおける往復遅延時間を用いたフロー制御手法」。アドホックネットワークでは、無線を利用して通信を行うため、電波干渉や障害物などの影響によりセグメント(データ)損失が頻発します。有線通信では電波干渉を考える必要がないので、「セグメント損失=ネットワークの混雑(輻輳)」と考えることができます。そのため、代表的なトランスポートプロトコルであるTCP Renoでは、セグメント損失を検知すると輻輳回避を行います。よって、アドホックネットワークでTCP Renoを利用すると、電波干渉を輻輳と誤って判断されるため、通信速度が低下しすぎるという問題があります。この問題を解消する方法として、帯域推定やスループット測定を用いるTCP WestwoodやTCP Vegasなどが提案されていますが、これらが十分な性能を発揮するとは言えません。
 本研究では、フロー制御に往復遅延時間を利用し、ネットワークの空き状況を的確に把握して速度制御を行う手法を提案し、シミュレーションにより性能評価を実施しました。特に、従来のTCPと混在した場合の公平性について調査を行ったところ、他の手法との共存が可能であることが分かりました。

 この発表は、5月に発表した「アドホックネットワークにおける適応型トランスポートプロトコル」を更に発展させた研究で、NS研究会の奨励講演に選出されています。山本君の今後の活躍に期待ですね!

 

 

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