TopNewsMembersResearchLecturesPublicationsLinksAccess

 

三好研・山崎研から、国際会議APNOMS2019にて5件の研究発表を行いました!

 2019年9月18日〜20日に島根県松江市で開催された国際会議「Asia-Pacific Network Operations and Management Symposium(APNOMS2019)」において、三好研と山崎研から合計で5件の研究発表を行いました。

news_fig1 まず最初に、テクニカルセッション(TS: Technical Session)では、三好が「P2PTV Traffic Classification and Its Characteristic Analysis Using Machine Learning(機械学習を用いたP2PTVトラヒック分類と特性分析)」について論文発表を行いました。本論文では、P2P映像配信サービス(P2PTV)のトラヒック分析を機械学習を用いて実現する手法を提案するもの。P2PTVアプリケーションとしてPPStreamとPPTVを利用し、映像視聴時に発生するトラヒックパターンを教師なし機械学習の一つであるX-means法により分類する方法を検討しました。トラヒックの特性を示す18種類の特徴量を定めて分類を行ったところ、PPStreamでは約90%の精度で4種類のトラヒックに分類されることが分かりました。

news_fig2 ポスターセッション(PS: Poster Session)では、山崎託先生が「Ant-inspired Backoff-based Opportunistic Routing for Ad Hoc Network(アドホックネットワークにおけるアリの生態に着想を得たバックオフベースのオポチュニスティックルーティング)」についてポスター発表を実施。アリは餌を探索する際、餌が見つかった経路にフェロモンを残すことで、他のアリにも餌の所在を教えています。このような手法は「アリコロニー最低化」と呼ばれ、ネットワーク分野での活用が広く行われています。本論文では、ブロードキャストをベースとしたマルチホップ通信の一つであるオポチュニスティックルーティングにおいて、アリコロニー最適化を用いて転送領域を限定する手法を提案、シミュレーションによる評価を行いました。

news_fig3 また、東京大学大学院修士課程1年の小野翔多君も、「Location-based Flooding Area Restriction for Mobile-assisted Ad Hoc Networks(アドホックネットワークにおける位置情報ベースのフラッディング領域制限方式)」というタイトルでポスター発表を行いました。アドホックネットワークにおいて宛先ノードを探索するには、全領域にブロードキャストを繰り返す必要がありますが、この処理は余計な通信が発生するため通信負荷が高いとされています。本論文では、アドホックネットワークのほかにLTEなどの移動体ネットワークが同時に存在することを仮定し、移動体ネットワークを使って各端末の位置情報を管理することで、宛先ノードの探索領域を制限する手法を提案しました。

news_fig4 イノベーションセッション(IS: Innovation Session)では、三好が「Development and Implementation of Geo-location-based Peer-to-peer Communication Framework(位置情報に基づくP2P通信フレームワークの開発と実装)」というタイトルで再登壇。科研費研究課題である「位置依存形P2P通信方式」の研究業績として、すでに研究発表済みの位置依存形P2P通信方式について解説するとともに、本通信方式を実装したアプリケーションの紹介を行いました。実装にはAndroidスマートフォンを利用し、ユーザの周辺の端末を探索して通信する「Neighbor peer radar」と、車車間・車歩間通信での利用を想定した「Collision alert system」の二つを紹介しました。

news_fig5 今回のAPNOMS2019では、イノベーションセッションに登壇した著者はデモ展示もできるとのこと。そこで、デモンストレーションセッション(DS: Demonstration Session)にも参加しました。Androidスマートフォンを複数台持参し、「マルチホップ形Neighbor peer radar」と「Collision alert system」の両方のアプリケーションをデモしました。30分間のデモ展示でしたが、多くの方が足を運んでくださり、位置依存形P2P通信の実装形態を見ていただくことができました。

 このように、今回のAPNOMSでは非常に多くの研究発表を実施することができました。三好、山崎ともに科研費研究の最終年ということで、それぞれの研究活動において得られた業績を公開できるとても素晴らしい機会となりました。


APNOMS2019 発表論文一覧

  1. K. Hayashi, R. Ooka, T. Miyoshi, and T. Yamazaki, "P2PTV Traffic Classification and Its Characteristic Analysis Using Machine Learning," 20th Asia-Pacific Network Operations and Management Symposium (APNOMS2019), Matsue, Japan, Technical Session, Paper No. TS8-4, 6 pages, September 2019.

  2. T. Yamazaki, S. Iwagami, and T. Miyoshi, "Ant-inspired Backoff-based Opportunistic Routing for Ad Hoc Networks," 20th Asia-Pacific Network Operations and Management Symposium (APNOMS2019), Matsue, Japan, Poster Session, Paper No. PS1-16, 4 pages, September 2019.

  3. S. Ono, T. Yamazaki, T. Miyoshi, and K. Sezaki, "Location-based Flooding Area Restriction for Mobile-assisted Ad Hoc Networks," 20th Asia-Pacific Network Operations and Management Symposium (APNOMS2019), Matsue, Japan, Poster Session, Paper No. PS1-5, 4 pages, September 2019.

  4. T. Miyoshi, T. Yamazaki, O. Fourmaux, Y. Shimomura, T. Toma, and M. Ozaki, "Development and Implementation of Geo-location-based Peer-to-peer Communication Framework," 20th Asia-Pacific Network Operations and Management Symposium (APNOMS2019), Innovation Session, Matsue, Japan, Paper No. IS1-1, DS1-1, 13 pages, September 2019.


APNOMS2019 ホームページ

 

 

ニュース一覧へ戻る

 

 

Copyright (c) 2007-2021 Multimedia Information Network Laboratory, SIT, All rights reserved.