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谷口文啓君が、電子情報通信学会 コミュニケーションクオリティ研究会にて研究発表を行いました

 2019年7月18日〜19日に新潟大学「ときめいと」で開催された電子情報通信学会コミュニケーションクオリティ(CQ)研究会において、当研究室修士1年の谷口文啓君が研究発表を行いました。

 谷口君の発表タイトルは「電力インセンティブを用いたモバイルアドホックルーチング」。モバイル端末間の直接通信のみでネットワークを構成するアドホックネットワーク技術は、インフラレスでの通信を可能にすることから、特に災害時などの通信方式として期待されています。しかし、他人の通信に協力することで自端末のバッテリーを消費してしまうことから、いかにしてアドホックネットワークに参加してもらうかが鍵となります。一方、昨今のスマートフォンは置くだけで充電ができるワイヤレス給電が普及を始めています。現在のところ、ワイヤレス給電の可能距離は数mm程度ですが、この技術がさらに進化すると、数メートル〜数十メートルの無線給電が可能にかも知れません。

 本研究では、離れた距離から無線給電ができるような未来を想定し、データ送信ノードが中継ノードに電力を供給しながらマルチホップ通信を実現する場合のルーティング方式を提案し、シミュレーションによる性能評価を行いました。中継ノードが消費する電力を送信者が補填してくれることから、中継ノードの生存時間が各段に上昇することが確認できました。もし電池残量が少なくなったら中継に協力しないと仮定すると、従来のアドホックルーティングでは早期に経路構築できなくなりますが、提案方式なら送信ノードの電池が残っている限り中継ノードは見つかるので、経路構築の可能性が高まります。

 本研究は、首都大学東京の朝香卓也先生との共同研究。アドホックネットワークのみならず遅延耐性ネットワークでの特性評価や様々なインセンティブモデルの構築など、今後の研究の進展に期待しています。

 

 

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