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IEEEの国際会議ICCE2024の招待セッションにおいて講演を行いました

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 2024年1月5〜8日にアメリカ・ラスベガスで開催された国際会議「IEEE International Conference on Consumer Electronics (ICCE 2024)」において、会議運営団体からの招待を受けて三好が講演を行いました。

 講演のタイトルは「Spatial Crowdsensing for Self-Growing Digital Twin to Realize City as a Service(スマートシティサービス実現に向けた自己成長型デジタルツインのための空間クラウドセンシング)」。私たちの生活をより便利にしてくれるさまざまな技術を備えた街である「スマートシティ」の実現に向けて、我が国をはじめ多くの国や自治体が研究開発を加速しています。スマートシティでは、現実社会をセンシングしてコンピュータ内にコピーを再現する「デジタルツイン」と呼ばれる技術が期待されているのですが、デジタルツインを常に最新のものに維持するのは簡単なことではありません。本発表では、デジタルツインがつねに自己成長できるようにするためのユーザ参加型センシングに関する2つの研究課題の紹介を行いました。

 1つ目は、iPad Proを使ったユーザ参加型センシング。「街をセンシングする」という作業はそれほど楽しいものではなく、ユーザにお願いしても簡単には参加してくれるとは思えません。そこで「ゲーミフィケーション」という技術を利用します。すなわち、街のセンシングをゲーム化し、遊んでもらいながら街のセンシングデータを収集するというものです。私たちはiPad上で動作するゲームを開発し、これをプレイする裏側でLiDARを使ったセンシングを行って点群データを保存する仕組みを実現しました。また、複数人で取得したデータを統合して1つのデジタルツインを構築するための基礎検討も行いました。

 2つ目は、自立スマートポールの開発。街全体のデジタルツインをつねに最新に保つためには、地上からだけでは不十分で、ドローンなどを使った上空からのセンシングも必要になります。しかし、人口が密集する都市部ではドローンの飛行が許可されないことが多く、研究や実験を行うこともままなりません。そこで私たちは10m近い高さの自立する棒(スマートポール)を開発しています。スマートポールには複数のプロペラが付いていて、風の力で自立するようになっており、ドローンを飛ばすのと同じような環境を実現することができます。複数のスマートポールを用いて、さまざまな通信実験やセンシング実験を開始しています。

 なお、本発表は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が2022年度に公募した「Beyond 5G研究開発促進事業」に採択された研究課題「City as a Serviceを支えるデジタルツインを持続可能な状態で自己成長させるエコシステム」の成果の一部です。


Takumi Miyoshi and Taku Yamazaki, "Spatial Crowdsensing for Self-Growing Digital Twin to Realize City as a Service," IEEE International Conference on Consumer Electronics (ICCE2024), Las Vegas, NV, USA, Invited Session, 2 pages, January 2024.

 

 

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